セッテン通信 028【らっせーらー! らっせーらー! な、夏の思い出!!】

【今週の目次】
1. タイポグラフィ塾[アメリカ活字の礎]
2. 先週のベスト○○[青森出張]

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1. タイポグラフィ塾[アメリカ活字の礎]

今回はアメリカでの活字と印刷産業の動きについて
みていきたいと思います。

イギリスの産業革命の影響を受けたアメリカでは
19世紀に活字版印刷術が隆盛を迎えます。

民衆の教育の水準や読み書き能力も向上していったため
広告・ポスター・新聞・雑誌などのあらゆる印刷媒体の需要が
急速に高まったころでもあります。

大量生産・大量消費の資本主義社会の構造を形成していこうとする
転換期のアメリカの活字業界を支えた人物に
アメリカ活字鋳造会社(American Type Founders Company=ATF社)
で活躍したベントン父子がいました。

ATF全景_450px
【ニュージャージー州に本社をおいたアメリカ活字鋳造会社の全景】

父である「リン・ボイド・ベントン(1844–1932)」は
アメリカ活字の礎を築いた人物でもあります。

リンボイドベントン_300px
【リン・ボイド・ベントン】

幼いころから機械全般に強い関心を示していたリン・ベントンは
印刷機の紙の扱い方を改良するシステムや活字の字幅調整システムなど
さまざまなシステムを発案しました。

なかでも1884年には活字製作に一大転機をもたらすことになる
「機械式活字父型(母型)彫刻機(Benton Automatic Punch-cutter)
略称ベントン彫刻機」を発明しました。

この彫刻機はパンタグラフの原理を生かして設計図をなぞるだけで
拡大、縮小した活字父型(母型)を彫ることができることから
ATFではフル回転で使われたそうです。(日本では1948年実用化に成功)

この機械の登場によって、精度の高い活字の父型や母型を
迅速に作ることができるようになりました。

ベントン彫刻機_600px
【ベントンによって発明された機械式活字父型(母型)彫刻機】

こうしたリン・ベントンらによるアメリカ人技術者の発明によって
高速大量型の近代印刷の基礎が確立されました。

さらに、リン・ベントンは機械の発明だけでなく活字書体開発にも携わります。
その代表的な活字書体が「テオドール・ロゥ・デ・ヴィネ(1828–1914)」
と共同で作った「センチュリー」です。

センチュリーは、デ・ヴィネが経営するデ・ヴィネ・プレスが印刷していた雑誌
『センチュリー・マガジン(The Century Illustrated Monthly Magazine)』
のための専用書体として設計した活字書体で
二段組の本文組版フォーマットに、多くの文字を組むことができるように
あらかじめ通常よりも狭い字幅で設計されました。

当時の印刷方法などさまざまな条件を考慮しながら
細部にいたるまでの検討と修正が繰り返されたセンチュリーは
そののちに膨大な数のセンチュリー・ファミリーへと
展開されていくことになりました。

と、いったところで今週はここまで。
次回は息子のモリス・フラー・ベントンについて
触れていきたいと思います。
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おまけコラム
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上で紹介した活字書体「センチュリー」は
第二次世界大戦の戦前から戦後の数十年間にわたり
日本のほとんどの教科書で採用されてきた欧文書体なので
誰もが一度は目にしたことがある書体かもしれません。

センチュリー書体見本_600px

教科書で使っている書体がなんだ?! なんてことを
考える日が来るとは夢にも思っていませんでした。
今ではそれも日常になってしまったのですが…笑

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それでは、今週もタイポグラフィとの良い接点を。
[参考・引用元]
Acanthus Typography School
欧文書体百科事典
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2. 先週のベスト○○[青森出張]

8月の6・7・8日と大学関連の仕事で青森に出張へ行ってきました。
初青森。一言でいうなら「最高」でした!
なにより汗かきの僕としては気温が最高!!

出張内容は青森研修旅行の引率という名目でしたが
行きの新幹線から学生たちとワイワイ盛り上がってお仕事感ゼロ!
(もちろん締めるとこは締めております。笑)

サクッと新青森駅に到着してレンタカーをゲットし
今回の宿であるサマーキャンプ場にテント設営へ向かいます。
このテント泊っていうのがまた楽しさを増幅させます! 笑

無事に設営を終えて汗だくの一行が向かったのが
同じく引率で来ていた池永さんオススメの温泉!!
いきなり温泉?! と思いきや…さすが温泉巡りをしまくっている
池永さんのオススメなだけあって最高!
浴場の壁が(硫黄の成分で?)緑になっていたりと雰囲気抜群!

さんない温泉_450px
【さんない温泉】

しっかりと新幹線の疲れを癒して、いざ「青森ねぶた祭り」の会場へ。
はじめて間近で見るねぶたの迫力に圧倒されながら
ここでようやく今回は研修旅行だということを思い出します。笑

諸先輩方のつくってくれた繋がりのおかげで
僕と学生たちもねぶたの運行に参加せてもらうことができました。
初参加で外からではなく中からみる「青森ねぶた祭り」。
本当に貴重な体験をさせてもらったと思います。

私たちのねぶた_600px
【お手伝いさせてもらったチームのねぶた】

そして、2日目はみんなで朝食にのっけ丼を食べたあと
ふたつのコースから好きな方を選んで動くことに。
学生たちはどちらにしようかギリギリまで悩みます。笑

僕と池永さんが引率したBコースの流れをザッと紹介!
国際芸術センター青森→八甲田温泉(らむね湯)→
十和田市現代美術館→サプライズな海→五所川原立佞武多祭り→
車内から花火→まちなか温泉→キャンプ場

国際芸術センター青森_450px
【国際芸術センター青森にあったユニバースで組まれたステキな文字組】

立ねぷた_450px
【でかすぎる五所川原の立佞武多】

十和田市現代美術館_450px
【十和田市現代美術館にある椿昇先生の作品】

https://youtu.be/75nIMXp7Xg4
【サプライズな海】※動画なので音量に注意してください

夏の思い出、盛りだくさん!!
池永さんと交代でしたが運転は大変でした…笑

全部楽しかったですが、ここに書くと長くなりそうなので
ぜひ飲みに行ったときにでも直接聞いてみてください。笑
特に「サプライズな海」の話はなかなかおもしろいと思います!

というわけで、あっというまの3日間!
最終日も青森ねぶたの解体を見学したり
青森県立美術館に行ったりと楽しんだ後
新幹線で帰路につきます。

20時過ぎに京都駅に到着。
長かったようで短かった旅もここで解散!
ちょっと寂しかったです。笑
こうして僕の2017年夏の思い出がひとつ増えました。

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