セッテン通信 029【食欲の秋到来!! 食べた分はナイスな展覧会で運動しませんか?!】

【今週の目次】
1. タイポグラフィ塾[ベントン父子の挑戦]
2. 先週のベスト○○[身体0ベース運用法]

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1. タイポグラフィ塾[ベントン父子の挑戦]

前回はアメリカ活字の礎を築いたベントン父子の父
リン・ボイド・ベントンを紹介しましたので
今回は息子であるモリス・フラー・ベントンを
紹介していきたいと思います。

モリスフラーベントン_300px
【モリス・フラー・ベントン】

モリス・フラー・ベントンは
1900–28年にかけて、「センチュリー」を
一般の印刷所でも使用できる活字書体として
18種類ものファミリーに展開していきました。

機械技師を目指していたモリス・ベントンは大学卒業後
父の勤めるATF(アメリカ活字鋳造会社: American Type
Founders Company)に入社しました。

入社まもなく書体開発部門に異動することになった
モリス・ベントンのはじめての仕事は活字の整理でした。
23社が合併してつくられた大企業であるATF社は
途方もない活字を所有していたからです。

活字サイズの規格化が機能していなかったことや
重複した活字書体が数限りなく存在していたことにより
秩序を作り出す作業は4年にもおよびました。

この作業を通じて、モリス・ベントンは
活字書体におけるファミリーの概念の必要性を痛感し
のちの書体開発で明確に提示しました。
モリス・ベントンは200以上もの活字書体をデザインしました。
その活字書体を大きく分けると以下の3種類に分類することができます。

1. 「センチュリー」「チェルテナム」などのニュートランジショナル系
2. 「オルタネート・ゴシック」「フランクリン・ゴシック」などの
のちにアメリカのサン・セリフ書体の代表となった書体。
3. 「ホーボ」などのユーモアにあふれたディスプレイ書体。

アメリカンサンセリフ体3つ_450px
【上から順に「オルタネート・ゴシック・ナンバー1」
「フランクリン・ゴシック」「ニュース・ゴシック」】

モリス・ベントンは上で述べたような活字書体の新刻だけではなく
ATF・リヴァイバル・プログラムと呼ばれる歴史的な古典書体の
復刻も並行しておこないました。

ATF活字見本帳_300px
【1912年に発行されたアメリカ活字鋳造会社活字書体見本帳】

見本帳組見本_300px
【見本帳に掲載された「センチュリー・オールドスタイル」の組見本】

見本帳使用例_300px
【見本帳に掲載された「ニュース・ゴシック」の使用例】

そのリヴァイバルはイギリス・モノタイプ社の
スタンリー・モリスンによってなされた同様の計画より
15年も早いものでした。
このようにベントン父子はアメリカのかつてない繁栄と相まって
高速化と効率化を求める時代の要求に対して的確に応えることで
印刷と活字業界の近代化に大きな貢献を果たしました。

その一方で、急速すぎた工業中心の社会が失ってしまった
人間らしさを求めた人物がアメリカのタイプデザイナー
フレデリック・W・ガウディです。
と、いったところで今週はここまで。
次回はフレデリック・W・ガウディについて
触れていきたいと思います。

それでは、今週もタイポグラフィとの良い接点を。

[参考・引用元]
Acanthus Typography School
欧文書体百科事典

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2. 先週のベスト○○[身体0ベース運用法]

8月末から9月半ばまでは大学でのねぶた制作でバタバタ…
それもひと段落し、通常営業を取り戻したということで
京都で開催中のこちらに行ってきました!!

大学の同僚でもある、染色作家・安藤隆一郎さんの展覧会!!
その名も『身体0ベース運用法「0 GYM」』
http://gallery.kcua.ac.jp/ando

いやぁ、一言でいうと「おもしろい!!」
かっこいいとか美しいとかじゃなく「おもしろい!!」
なにがおもしろいって、考え方が「おもしろい!!」
会場で実際に体験できるから、それがおもしろさを倍増させる!!

展覧会の細かい内容は上のリンクで確認してもらうとして
おもしろさの根源にあるのは、安藤さん自身が考え行動し発見したことに
本人が一番ワクワクしているからじゃないかと感じました。

自分の言葉で一生懸命説明してくれる安藤さんの顔を見ていると
こっちまで嬉しくなって「ふんふん」「へ〜」と聞き入ってしまう。
その結果、話が長くなりすぎるのがたまに傷ですが…笑

でもそれも安藤さんのまっすぐでいいところなんだろうなと思うので
それも含めて楽しんでいきましょう!!

会場ではいろいろと体験をさせてもらいましたが
その中でも行く前から一番気になっていたのがこちらの〈線の運び方〉

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安藤さんが絵を描いていく上でのこの線の運び方についての疑問が
身体0ベースを考えはじめるきっかけだったそうです。
「腕だけで描ける範囲を超えた大きな画面に絵を描くときにうまくいかないなぁ」
「でも昔の襖絵とかを描いていた人たちはそれをズバッとやっていたんだよなぁ」
「なにが違うんやろう…」っていうようなことだったと思う。(たぶん笑)

自分の専門分野や毎日続けていることに改めて目を向けることで
そこから発見し追求していったことってやっぱりおもしろい!!

今はネットに情報があふれているし、成功体験だけが流れてくるので
つい焦って外にばかり目を向けて右往左往してしまいがちです。

でも…
デザイナーだろうと
アーティストだろうと
事務員だろうと
工事現場の人だろうと
主婦だろうと
それ以外のどんな仕事の人だろうと

自分の仕事にきちんと向き合って、それを前向きに考えていくことで
必ず気づきやおもしろさは発見できるんだと思います。

そして、そんな自分の中からにじみ出てきた考え方やおもしろがり方こそが
なにより自分を一番幸せにする方法なんじゃないかなぁと
今回の展覧会で安藤さんと話したことで気づくことができました。

どんなジャンルの人でも自分の制作や生活に通じる気づきがある
とても貴重な体験ができる展覧会だと思います。

気になった方はぜひ足を運んでみてくださいね〜!!
10月14日(土)までです。
ひとりじゃ不安という人は一緒に行きましょう◎

おまけ↓
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