セッテン通信 030【祝!! 9周年!! 自分で勝手に祝う号】

【今週の目次】
1. タイポグラフィ塾[ガウディ活字]
2. それいけ! デザイン部[なにわボケの会 合同展]
3. setten designからのお知らせ

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1. タイポグラフィ塾[ガウディ活字]

今回は前回までと同じくアメリカで活躍した
フレデリック・W・ガウディを紹介したいと思います。

ガウディと息子_450px
【工房で息子(右)と機械式活字父型(母型)彫刻機の
カッターの精度を確かめるフレデリック・ガウディ(左)】

1865年にアメリカ・イリノイ州ブルーミントンで生まれた
「フレデリック・ウィリアム・ガウディ(1865–1947)」は
ATF(アメリカ活字鋳造会社)のベントン父子と同時期に活躍した
アメリカのタイプ・デザイナーです。

かれはまた百数十書体をたったひとりで制作した
多作のタイプデザイナーとしても知られており
(活字制作リストには123もの書体を作ったことが示されている)
機能性と美しさを融合させた、理想の活字書体を作ることに
こだわったタイプ・デザイナーでした。

ガウディは1899年に、シカゴでフリーランスの
デザイナー兼タイポグラファとして活動をはじめ
1901–05年にかけてATF社に残されていた古い活字書体見本帳の中から
鉄の板に彫られた彫刻文字を参考にして「カッパープレートゴシック」の
ファミリーを制作しました。

1903年には、イギリスの個人印刷所のような美しい本づくりを目指して
シカゴ郊外のパークリッジにヴィレッジ・プレスを設立しますが
1908年、火事によって焼失してしまいます。

プリンターズマーク_300px
【ヴィレッジプレスのプリンターズマーク】

1911年、そんなガウディに書体デザインの成功がおとずれます。
ミッチェル・ケナリー出版社からH・G・ウェルズの著作による
『The Door in the Wall』のブックデザインと印刷を依頼されたガウディは
使用する活字書体に自分でデザインした活字書体を提案しました。

出版社にちなんで「ケナリー」と名づけられたこの書体を作るために
火事で燃えてしまったヴィレッジ・プレスはあらたに
ヴィレッジ活字鋳造所として甦ることになりました。

ケナリーは、イギリスの古典書体「フェル(1672)」を
もとにしたといわれますが、その文字形象のどこをみても
ガウディが描く曲線にあふれた仕上がりになっています。

ケナリー_600px
【ケナリーは10ポイントから72ポイントまでのサイズが用意された。
イタリック体はアルダス工房のイタリック体活字をもとにデザインされている】

同じ頃に制作した活字書体「フォーラム」とともに
ケナリーはイギリスで評判になり、フランシス・メイネルの
ペリカン・プレスの仕事でも使われて称賛を受けました。

タイポグラフィカ_450px
【タイポグラフィ誌『タイポグラフィカ』は、
執筆・編集・組版・印刷・発行のすべてをガウディ自身が担当し
第3号の表紙ではローマの碑文書体を模して制作した「フォーラム」が用いられた】

評判を聞きつけたATF社は、ガウディに活字書体のデザインを依頼し
1915年、ルネサンス時代の大文字をもとにした
「ガウディ・オールド・スタイル」が誕生しました。

ガウディ・オールド・スタイルは、ガウディの手がけた
数多くの活字書体の中でも最高傑作のひとつだと評価されており
特に美しさを極めた大文字は、ブック・デザイナーに好まれて
書籍のタイトルや章題に頻繁に使われました。

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【ガウディ・オールド・スタイル・ローマン】

ガウディオールドスタイルイタリック_450px
【ガウディ・オールド・スタイル・イタリック】

ランストン・モノタイプ社で、さまざまな書体の復刻も手がけるなど
活字書体制作が軌道にのりはじめたガウディは、1911年から34年にかけて
『タイポグラフィカ』という雑誌を6号まで出版しています。

その後も自分の理想を追い求め、多くの活字書体を生み出したガウディは
その成果ともいえる何百ものドローイングや作りかけのいくつもの活字、
数千もの活字の父型と母型を1939年の火事でふたたび失ってしまいます。

しかし、理想の文字形象を人一倍大事にして
無理解な他人の手が加わることを警戒していたガウディにとって
自身の作った多くの活字書体が電子活字として復刻されないことは
幸せだといえるのかもしれません。

と、いったところで今週はここまで。
次回はところ変わってドイツの活字「フツーラ」
について触れていきたいと思います。
それでは、今週もタイポグラフィとの良い接点を。
[参考・引用元]
Acanthus Typography School
欧文書体百科事典

 

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2. それいけ! デザイン部[なにわボケの会 合同展]

このコーナーでは、setten designが関わった
デザインなどをご紹介!

今回は、シャンプーハットのこいでさん率いる「なにわボケの会」が
百貨店では初となるアート展覧会を開催するということで
企画制作からアートディレクションまでを担当させていだきました!!

その名も…
なにわボケの会 合同展 in 大丸ミュージアム〈梅田〉
〜よしもとボケ芸人によるアート展覧会〜

bokenokai_B3poster_data
【今回のメインビジュアルを使用したB3ポスター】

10月25日→30日までと開催期間は短めでしたが
とにかく10月はこの仕事で駆け抜けました!!

いや〜この仕事を終えた感想をひとことで言うとしたら…
「仕事ってこんなに楽しくていいのか!!」です。笑

このお話を正式にいただいたのが9月23日土曜日。
京都駅の新阪急ホテルでこいでさんと初対面し
打ち合わせをさせてもらったところから始まりました。

それから約1ヶ月…あれこれありすぎて書ききれませんが
一番感じたのはそれぞれが自分の持ち場にプライドを持って取り組めば
時間がなくてもいいものはできるんだということ。

芸人さんたちのあふれんばかりの感性はやっぱりすごかったし
ビジュアル撮影をしてくれた写真家の山内さんもすごかったし
松本さん[よしもと]の行動力と情報処理能力もすごかったし
杉本さん[よしもと]の適材適所で人を繋ぐ力もすごかったし
大丸の黒川さんの協力も絶対になくてはならないものだったし
その他にもたくさんの方の協力と配慮のおかげで
なんとか実現することができた企画だと思っています。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という有名な言葉がありますが
その言葉どおりテレビなどでよく見る芸人さんほど礼儀正しく
謙虚な姿勢でまわりにも気を配っているように感じました。

表舞台に出ている人たちの裏側を見られたことで
自分がどれだけ有名になったりチヤホヤされたとしても
絶対に謙虚さだけは忘れてはいけないなぁと
ボケにまみれた現場で学ばせてもらいました。笑

展覧会がどういったものだったかを文字で伝えるのは難しいので
Instagram・Twitter・Facebookなどの各SNSで
「なにわボケの会」と検索していろいろ見てもらえると嬉しいです!!
ファンの皆さんの熱のこもった写真とコメントも見られますよ〜

最後にこいでさんのツイッターから拝借
「ボケの会合同展ありがとうございました。、スタッフの皆様、お客様、
なにわボケの会の芸人のおかげで会心の一撃になったと自負しております!」

このような機会をくれた皆さんには本当に感謝しかありません!!
またこんな仕事に携われるように日々精進していきたいと思います!!
今回メインビジュアルを撮影してくれた
写真家・山内悠さんのウェブサイトはこちら↓
https://www.yuyamauchi.com

 

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3. setten designからのお知らせ

2017年11月1日にsetten design株式会社は
創業9周年を迎えました!!

わ〜パチパチパチ!!

この1年はタイポグラフィはもちろんのこと
少しアート寄りのアナログな制作にも
力を入れていきたいと思っていますので
10年目もどうぞよろしくお願いいたします。

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