セッテン通信 031【暮れの元気なご挨拶 2017】

【今週の目次】
1. タイポグラフィ塾[ドイツの活字 フツーラ #1]
2. それいけ! デザイン部[ウクレレブランド]
3. setten designからのお知らせ

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1. タイポグラフィ塾[ドイツの活字 フツーラ #1]

今回は、芸術とデザインの世界にも大きな変革がおきた
20世紀初頭にドイツで生まれた「フツーラ」を紹介したいと思います。

幾何学的サン・セリフ体と呼ばれるこの書体は
形のポップさから日本のデザイナーにも人気ですが
こういったものほど歴史背景を知って使用することが
大切だと考えています。

ドイツの言語では名詞での大文字の使用頻度が高く、複合語も多いなど
さまざまな理由から長い間、ドイツ語に対するタイポグラフィの問題が
出版や印刷人、学者や文学者などにより盛んに議論されてきました。

20世紀になると、新しい職能として現れたグラフィックデザイナーが
このドイツ語組版や活字書体の問題と対峙しはじめます。

その中のひとり「パウル・レンナー(1878–1956)」による
「フツーラ」が売り出されたのは1927年でした。

フツーラをデザインしたレンナーは、芸術家・画家・
ブックデザイナー・タイポグラファ・執筆家・教師など
多くの顔を持つ人でした。

レンナーポートレート
【1930年ころのパウル・レンナーのポートレート】

1924年中ごろ、出版と印刷の会社を運営していた
ヤコブ・ヘグナーという人物がレンナーのスタジオを訪れます。
近代的な活字書体を設計することを目指していたヘグナーは
レンナーにプロジェクトへの参加を懇願します。

それを受け入れたレンナーは、さっそく原図を描きはじめ
ヘグナーにいくつかの原図を送りました。
しかし、数ヶ月たってもヘグナーからは何の連絡もありません…

futura_drawing
【1924年にレンナーによって描かれた「フツーラ」の
最初期のドローイング】

やむなく原図を返却するよう依頼したレンナーは
その後、かつての教え子で
バウワー活字鋳造所のアートディレクターであった
「ハインリッヒ・ヨスト(1889–1948)」にこの原図を送っています。

このことを皮切りに、さまざまな偶然が重なり
レンナーとバウワー活字鋳造所との長い共同作業がはじまりました。

と、いったところで今週はここまで。
次回も引き続きドイツの活字「フツーラ」について
触れていきたいと思います。

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おまけコラム
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フツーラに関する資料はこれまであまり多くなかったのですが
フツーラ好きという方はぜひこの本を手にとってみてください!!

futura表紙

http://amzn.asia/afzDOLZ

ドイツ語で書かれているため僕にはあまり内容が分かりませんが
この本はパラパラと眺めているだけで幸せな気持ちになれます。

futura01 futura02 futura03 futura04 futura05 futura06 futura07

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それでは、来年もタイポグラフィとの良い接点を。

[参考・引用元]
Acanthus Typography School
欧文書体百科事典
Futura. Die Schrift

 

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2. それいけ! デザイン部[ウクレレブランド]

このコーナーでは、setten designが関わった
デザインなどをご紹介!

2017年は2つのウクレレブランド立ち上げに
関わらせてもらいました。
まずは「Lotus Acoustics」からご紹介。

lotus_logo

京都在住のルシアーである西原悠紀氏と
basis records 立岩氏が立ち上げたブランドです。

ウェブサイトにも以下のようなメッセージがありますが
おふたりの変態的(笑)と言っても過言ではないぐらいの
こだわりが詰まったものが揃っています。

年間本数も極わずかではありますが、
素材を大切に、音色、使い心地に焦点をあて、
自分たちが欲しいもの、作りたいものを中心に、
1本1本丁寧に製作していこうと思います。

商品など詳しく情報はこちら↓
https://www.basisrecords.com/ukulele/html/user_data/lotus.php

 

 

続いて「KOU ukulele」をご紹介。

kou_logotype kou_mark

こちらはbasis records 立岩氏のこだわりを元に
約20年のキャリアがある古林達郎氏に製作を依頼しています。

ルシアーの「巧み」な技術によって生み出される特別なウクレレ。
持っていただいた方が「幸せ」な気分になっていただければ、
という思いで名付けました。

という立岩氏の思いをきちんとお届けできるよう
シンボルマークにはコウノトリのイメージを盛り込みました。

商品など詳しく情報はこちら↓
https://www.basisrecords.com/ukulele/html/user_data/kou.php

僕自身はまったく楽器を演奏できませんが
こういった音楽関係の仕事に関われるのはとても幸せです!!

これからもこのブランドたちのような
成長を見守っていけるモノやコトに
デザインで関わっていけたら嬉しく思っています。

 

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3. setten designからのお知らせ

本当に時の経つのは早いもので
昨年10月からスタートしたセッテン通信も
2017年最後の配信となりました。

ほんまにこんな内容を読みたい人おるんかなぁ…と
半信半疑でスタートしたものの蓋をあけてみると
毎回楽しみにしてますとメッセージをいただけたり
実際にお会いしたときにもタイポグラフィの話に
花が咲くきっかけになったりと多くの方のおかげで
なんとか続けてくることができました。

僕がタイポグラフィというものを知った10数年前
その世界はとても閉じられているという印象がありました。

そんな中、僕の師匠である佐藤淳氏の知識や資料を独り占めせず
どんどん後進に提供していく姿勢や考え方を見ていくうちに
「タイポグラフィをもっとオープンなものにしていきたい」
「そのために自分の力を使いたい」と思うようになりました。
もちろんただやみくもに広がればいいということではなく…

知識も実践もまだまだやるべきことはたくさんありますが
根が明るいことが取り柄の自分にしかできないことを
しっかりと継続していきたいと思っています。

それでは皆さま、良いお年をお迎えください。
2018年もsetten designと平山健宣を
どうぞよろしくお願いいたします。

 

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