セッテン通信 022【週の始まりは日曜派?月曜派?】

【今週の目次】
1. タイポグラフィ塾[トランジショナル・ローマン #4]
2. 先週のベスト○○[マンデイプロジェクト]
3. setten designからのお知らせ[世界のブックデザイン]

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1. タイポグラフィ塾[トランジショナル・ローマン #4]

今週は、前回に引き続き「ピエール・シモン・フールニエ(1712–68)」の
実績を紹介していきたいと思います。

前回は、活字書体製作と『印刷活字見本』
『タイポグラフィの手引き』の刊行の2つを紹介しましたので
今週は、以下の2つを紹介していきたいと思います。

●ポイント・システムの発明
●楽譜用活字の改良と花形装飾活字の製作
●ポイント・システムの発明

フールニエの功績としてあげられるのが
印刷活字のためのポイント・システムを考案して発表したことです。

『タイポグラフィの手引き』に収録されたこのポイント・システムは
基本的には『比較対照表』の原型を展開させたもので
表組の題名は「一般比例対照表」となっています。

一般比例対照表600px
『タイポグラフィの手引き』第1巻に掲載された「一般比例対照表」

細かい数字はここでは割愛しますが
フールニエはある与えられた基準となる大きさを分割することによって
単位をつくることができるという原理をもとに
活字の大きさの体系化をはかったのです。

つまり、ポイントは活字の大きさの単位ですが
ポイント・システムは活字組版においてインチやパイカなどの
基準となるサイズをどのように分割するかを決めたルールなのです。

しかし、フールニエの考案したポイント・システムは
紙にスケールを載せていたため、環境の変化などにより
伸縮にばらつきを生み正確な絶対値は不明でした。

その曖昧さを克服したのが
フールニエの死後、フランス王立印刷局の監督だった
「アンブロワーズ・ディド(1730–1803)」です。

ディドが1783年ごろに修整したディド・ポイントは
フランスの出版界におけるディド家の繁栄とともに
急速にヨーロッパ大陸諸国に普及していきました。

一方のアメリカやイギリスにおいては
19世紀末にようやくアメリカン・ポイントが制定されました。

それ以後も活字の大きさの標準化に関しては
いくつかの提案や議論がされてきましたが
ポイントを単位とするさまざまなボディの大きさを
生成するという原理は、ディド・ポイントや
アメリカン・ポイント・システムという形で生き残り
フールニエの思想は現代にも息づいています。

●楽譜用活字の改良と花形装飾活字の製作

活字による楽譜印刷の技術は
18世紀に飛躍的に進歩しました。

ベルギー、ドイツ、スウェーデンなどで
さまざまな人物が楽譜印刷の改良や開発をするなか
フールニエもまた、より効率的な楽譜印刷を可能にする
活字の開発をおこないました。

楽譜用活字600px
『タイポグラフィの手引き』第2巻に収録された楽譜用活字】

フールニエが開発した第2の楽譜用活字の一揃いは
2度刷りが不要で147個の要素で構成されていました。
これはその他のシステムが200個や300個を要したのに比べて
大きな改善でした。

しかし、フールニエにとって楽譜用活字の改良は
たんに技術的な課題だけではなく
当時のフランスにおける楽譜印刷を独占していた
バラール家との戦いでもありました。
最後に花形装飾活字について触れて終えたいと思います。

花形装飾活字600px
『タイポグラフィの手引き』第2巻に収録されたフールニエの花形装飾活字

フールニエ以前にも花形装飾活字は用いられていましたが
フールニエは多くのバリエーションを揃えて
組み合わせの効果を最大限にすることで
木版の装飾にも負けない多様な変化を可能としました。

そこには、ポイント・システムや楽譜用活字の開発と同様に
フールニエの卓越した分析力と合理的な問題解決の
能力を見ることができますが、タイポグラフィの諸技術を
総合しようとするフールニエにとっては
これらは自然なことだったに違いありません。

と、いったところで今週はここまで。
次回はモダン・ローマンについて触れていきたいと思います。
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おまけコラム
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この頃の話は個人的に好きなところと言いますか
「トランジショナル=過渡期(橋渡し的)」
という響きがとても好きで
ついつい4週もやってしまいました。笑

僕が師匠にタイポグラフィを学ぶ上での
コツみたいなものを訪ねた時にこう言われました。

「好きな書体を見つけてそれを掘り下げてください。
そうしていくうちにどんどんと繋がっていきますから。」

その時は本当かなぁ…?なんて思っていましたが
本当にその通りでした。

ちなみに僕が一番最初に興味を持って
今でも大好きな書体は「Univers」です。

ここから僕のタイポグラフィは始まりました!!

皆さんの好きな書体はなんでしょうか。
そんなことばかりを話す(根暗な感じじゃない)
茶話会があっても楽しそうですね。笑

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それでは、今週もタイポグラフィとの良い接点を。
[参考・引用元]
Acanthus Typography School
欧文書体百科事典
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2. 先週のベスト○○[マンデイプロジェクト]

京都造形芸術大学の名物授業「マンデイプロジェクト」
2017年度もついにスタート!!

いやぁ今年は1回生が900人と大所帯!!
マンデイ体育館集合写真
この人数の前で自己紹介…誰でも緊張するわ!! 笑

1クラス40数名のクラスに分かれて
毎週月曜日に学科の垣根だけでなく
どんどん自分を越えていってもらいます。

先生ではなく、FA(ファシリテーター)という立場で
先週の4月10日に初日を迎えたわけですが、初日から楽しすぎました!!
自己紹介系のアイスブレイクから、すでにグルーヴ出まくり! 笑

アイデアをAの階層からBの階層、そしてCの階層へと
発展・展開させるためのワークショップに入ってからも
アイスブレイクからのグルーヴは衰えることなく
めちゃくちゃおもしろいのが出てきて終始笑いが絶えませんでした!

初回でみんなと共有したこのアイデアの階層というイメージ。
絶対に後半で生きてくると信じて…

すごい偶然の重なりで同じクラスになった学生たち。
そんなみんなをとにかくひとり残らず最後まで連れて行きたい。
これが最後のねぶた制作で賞という結果を残すことと
同じぐらい重要だと思ってます。

そのためにはプログラムの準備はもちろんのこと
体調管理もしっかりしないとですね!

ぜひオススメの体調管理法を教えてください!
よろしくお願いします!
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3. setten designからのお知らせ

現在、奈良県立図書情報館(3階ブリッジ)では
「世界のブックデザイン2015-16」が開催されています!!

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http://www.library.pref.nara.jp/gallery/2310

以下、ウェブサイトから抜粋

毎年3月にライプツィヒ・ブックフェアで公開される
「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書をはじめ、
日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国の
コンクールで入賞し優れたデザインの書籍約180点を展示します。
なお、日本におけるこの展示会は、
当館と東京(凸版印刷株式会社 印刷博物館 終了)のみの開催です。

お知らせが遅くなってしまったので
期日は残りわずかとなっています。
桜並木もキレイなので葉桜を楽しみながら
ゆっくりと散策してみるのもオススメです。

ちなみに図書情報館から歩いていける距離にある
「麺屋やまひで」というラーメン屋さんの
酸辣麺のまぜそばが美味しかったです!!
パクチーが大丈夫な方はぜひついでにどうぞ!!
https://tabelog.com/nara/A2901/A290101/29009059/


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